村田兆治「ダルビッシュ有や大谷翔平も受けたトミー・ジョン手術の先駆け」昭和男の魂インタビュー (2/5ページ)
最近では桑田真澄、松坂大輔、藤川球児、ダルビッシュ有、大谷翔平ら、たくさんの投手が当たり前のようにトミー・ジョン手術を受けている。でも当時は、肘にメスを入れたら投手生命は終わり、というのが定説だった時代。俺は、球団と「手術が失敗したら、潔く引退します」という約束を交わさなければならなかった。
手術を受ける前、ジョーブ博士に一つ確認したことがあるんだよ。「先生は手術に失敗したことはないんですか」って。そしたら、博士は「ある」と答えた。その言葉を聞いて、「この人は信頼できる」と確信したんだよな。幸い、手術は成功。ただ、今度は厳しいリハビリが待っていた。暗闇を一歩一歩這って進んでいるような感じだったけど、再びマウンドに上がるまでは弱音を吐くつもりはなかった。どんな壁を前にしても、絶対に逃げない。それが俺の生き方だから。
■「サンデー兆治」の復活劇は当時の社会現象に
――手術から2年近く。85年4月14日、村田氏は西武戦に先発し、155球の完投勝利。以降、毎週日曜日に登板し、開幕から11連勝。「サンデー兆治」と呼ばれ、その復活劇は当時の社会現象にもなった。
〈村田〉 ジョーブ博士からは「1試合100球まで」と言われていたんだけどね(笑)。手術後の初先発となった試合では、100球を超えると稲尾和久監督がマウンドにやって来て、こう言われたんだ。