田中角栄「名勝負物語」 第五番 小沢一郎(2) (3/3ページ)
「オヤジさん(田中のこと)は、改めて選挙作法を伝授していた。『まず、名刺をつくれ。1枚1枚配って、戸別訪問を3万軒だ。そのうえで、辻説法をやって5万人と握手しろ。辻説法は、雨でも雪でもやれ。そうすれば、初めて選挙区の事情が分かる。選挙区は、日本の縮図だ。それが分かると、将来、必ずおまえの役に立つ。親の七光りなんてあてにしているようでは、とてもモノにならない。カネも、使えばなくなる。ワシの言ったように、やり遂げてみろ。そうした中で、初めて当選の可能性が出てくる。選挙に、僥倖などはない』と。それを聞き終わると、小沢は一言、『はい』と言っていた。コチコチに、硬くなっていたナ」
(文中敬称略/この項つづく)
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小林吉弥(こばやしきちや)
早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。