具足、甲冑、胴丸など…みんな「鎧-よろい」なんだけど、それぞれの違いって何? (1/4ページ)
先日、時代劇を観ていて訊かれました。
「具足(ぐそく)も甲冑(かっちゅう)もすべて鎧(よろい)なのに、なんでそれぞれ呼び方が違うの?」
意外とごっちゃにされやすいこれら「鎧」に関する言葉たちについて、今回はその違いをメインに、鎧のバリエーション(平安時代以降)を紹介していきたいと思います。
以前、槍(やり)と矛(ほこ)の違いに関する記事も掲載しましたのであわせてどうぞ。
槍(やり)と矛(ほこ)の違いは何?その構造から見えてくる先人たちの創意工夫 鎧(よろい)そもそも、戦に際して身に「よろう(表面を包み込む意味の動詞)」ものであるから「よろい」と呼ばれました。
鎧を「よろう」武者の図。歌川国芳「甲陽二十四将之一個 内藤修理正昌豊」嘉永六1853年。
漢字は「金(属)」で出来た「よろい」を着て動くと「豈(ガイ)々」と鳴ったことから、金(部首)+豈(形声)=「鎧」となりました。
甲冑(かっちゅう)甲(こう)とは身にまとう鎧、冑(ちゅう)とは頭にかぶる兜(かぶと)を指し、甲+冑(こう・ちゅう)が訛って「かっちゅう」と呼ばれるようになりました。