具足、甲冑、胴丸など…みんな「鎧-よろい」なんだけど、それぞれの違いって何? (3/4ページ)
『国史大事典』吉川弘文館、明治四十一1908年
混同されることが多い両者ですが、あえて厳密に分類するなら、胴体の前半分までを防護するのが腹当で、背中までぐるっと巻いて防護するのが腹巻となります。
胴丸(どうまる)こちらも文字通り、胴体を丸ごと防護するから「胴丸」で、腹巻と混同されがちですが、よく見られる違いとしては、肩部分に杏葉(ぎょうよう。肩防具)がつき、腰回りに草摺(くさずり。大腿部の防具)がついて、防御力の向上と機動性の維持が図られていることが多いです。
竹崎季長『蒙古襲来絵詞』より。左端の人物が着用しているのが「胴丸」。肩に杏葉、腰に草摺がついている。
加えて杏葉の上から大袖(おおそで。肩~上腕部の防具)が装着されることもあります(大袖がつくと、一気にランクアップした気分になれそうです)。
※例外もありますが、イメージ的にランク付けすると「腹当≦腹巻≦胴丸<<大鎧」となります。
大鎧(おおよろい)武士を別名「弓馬(きゅうば、ゆんば)」と呼ぶ通り、武士を象徴する騎馬戦(主に馬上から矢を射る騎射)に特化した鎧で、そのルーツは大陸の騎馬民族などに遡ります。
菊池容斎『前賢故実』より、大鎧で騎乗する源義家公肖像。
弓手(ゆんで。