具足、甲冑、胴丸など…みんな「鎧-よろい」なんだけど、それぞれの違いって何? (4/4ページ)

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左手)を伸ばして弓を構えた時に左腋の隙間を防護する「鳩尾(きゅうび)の板」と、矢を箙(えびら。矢を入れる大具足の一つ)から抜き、弓につがえて引き絞る邪魔にならないよう、柔軟に右腋を防護する「栴檀(せんだん)の板」を備え、腹部前面に滑らかな革などを張り、放たれた弓の弦(つる)が引っかからないようにした「弦走韋(つるばしりのかわ)」など、様々な工夫が特徴です。

大鎧(胸部)。右胸に「栴檀の板」、左胸に「鳩尾の板」を着装。

鎧の中では最上級のものとされ、「正式の鎧」という意味で「式の鎧」「式正(しきしょう)の鎧」と呼ばれたり、また古来、着ると背筋が伸びることから「着背長(きせなが)」という美称も伝わっています。

まとめ

以上、一口に「鎧」と言っても様々なものがあり、戦場で生き延びるための創意工夫が随所に見られ、その機能美は世界的にも高い評価を得ています。

室町時代『紙本著色芦引絵』より。

あまり日常でふれる機会も多くはありませんが、先人たちの知恵や美意識に、思いを馳せるきっかけとなりましたら幸いです。

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