腹切るくらい安いもの…山本権兵衛の政治使命と「臥薪嘗胆」エピソードを紹介 (6/7ページ)
屈辱の「三国干渉」から十年越しの勝利でしたが、幸い権兵衛らが追及されることはなく、開戦前に亡くなった従道も、草葉の陰から喜んだことでしょう。
その後も権兵衛は首相になるなど活躍しますが、そのエピソードはまた改めて紹介したいと思います。
終わりに言うまでもなく「正しからず」と書くぐらいですから、不正は悪いことです。
その前提に立っても、天下公益に供すると信じたならば、罪を覚悟し、命に代えてでも成し遂げるのが、政治家の真骨頂と言えます。(※もちろん、時間や状況が許すのであればルール自体をより適切に改正するのが原則です)
近ごろの政治家は「世論が……」「人気≒選挙が……」とばかりに保身を図って事なかれ主義に傾き、そのくせ私利私欲にとらわれ、つまらない不祥事に追われる小物ばかり。
「お前はそんな事のために政治を志したのか!?」
命に代えてでも成し遂げたい事業があり、それをこの世における自らの使命と信じて身命を擲(なげう)つのが政治家のあるべき姿というもの。
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして國家の大業は成し得られぬなり」
【意訳】命も要らない、名誉も肩書もカネも要らない……そんなヤツほど扱いに困るものはない……が、そういうヤツでないと、国家の大業は成し遂げられんのじゃ。
※山田済斎 編『西郷南洲遺訓』より。
