M7発生90%超 待ったなし関東を襲う大地震「地下空間の盲点」② (2/2ページ)

週刊実話

都内を走る地下鉄には川の上を走行する区間もある。
「東日本本大震災では、津波で仙台空港アクセス線が水没しました。東京に津波がきた場合、都内の地下鉄の線路網が水路となって、中央官庁のある霞が関なども浸水してしまう可能性があります」(前出・サイエンスライター)

 渋谷駅や東京駅地下に広がる巨大な地下空間がどうなるのか、想像するだけで恐ろしくなる。

 地震の歴史を調べてみると、関東地震の一つに数えられる元禄地震(1703年)では、津波が江戸湾(現東京湾)入り口の浦賀で4.5メートルに達した。江戸湾内でも津波は影響を及ぼし、本所、深川、両国で1.5メートル、品川、浦安で2メートル、さらに隅田川の遡上も記録されている。

 2009年、国の中央防災会議で「200年に1度の大雨で荒川の堤防が東京都北区で決壊」というシミュレーションを設定したところ、驚くべき結果が出た。

 地下鉄の地上出入り口に高さ1メートルの止水板を設置しても、東京都市部の22路線137駅、総延長約215㎞のうち、最大で17路線81駅、総延長約121㎞で水没するというのである。前述したように、地下の線路網が水路なって被害を拡大させるからだ。

 東京湾には、3.5メートルの防潮堤を巡らせてある。それは元禄地震の津波の高さを想定してのことだ。

 しかし、防潮堤や海岸護岸が巨大地震で壊れたり、液状化現象で沈下する可能性もある。河口にある水門や鉄扉が計画通り閉められなければ、津波が川を遡上する恐れもあり、このシミュレーションが現実のものとなりかねないのだ。

 怖いのは津波による水害だけではない。
「東京の地盤は液状化しやすく、地下水位も高い。地震による液状化や潮位上昇によって、地下水位が上昇し、市街地の地表から水が噴き出して、氾濫するといった不測の事態も起こりうる。震災直後は何事もなかったのに、翌日には地下鉄水没といったことも考えるべきです」(前出・渡辺氏)

 さらに、渡辺氏は言葉を強めてこうつぶやいた。
「地下が巨大な棺桶になってしまわなければいいが。しかし、あながち杞憂とは思えない。地下空間の演出は基本は防災事業ですが、防災事業に名を借りた土木事業ですよ」

 逃げ場あるのか。

「M7発生90%超 待ったなし関東を襲う大地震「地下空間の盲点」②」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る