さやわか、名探偵コナンのように平成の真実を解き明かす (5/8ページ)

ブッチNEWS

連載やテレビ放映が長期化した作品だと『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』など、山ほど例が挙げられるでしょう。しかし、実は『コナン』は、それらの例とは少し違うのです。
 なぜならコナンは「毒薬によって幼児化させられた」キャラクターだからです。サザエさんやちびまる子ちゃんは、単に「フィクションだから歳を取らない」キャラクターです。ところがコナンの場合は、「歳を取りたくても、取れない」「成長したくても、できない」というキャラクターなのです。
 これに、第1話で新一が「平成」という言葉を使っていたことを、合わせて考えましょう。
 日本の経済は平成に入った直後から不況に入り、以後「失われた20年」とか「失われた30年」などと言われるほどの、社会の停滞期が続きました。今なお、それは続いているとも言われます。つまり、平成という時代はまさに「成長したくても、できない」時代だったのです。
 第1話で新一は「平成のシャーロック・ホームズになりたい」と言いました。その言葉によって『コナン』という作品は、現実の時間と並行して進む物語であることを半ば宣言しています。実際、後の章で詳しく触れますが、『コナン』の作中には、その時々の平成の風俗や文化が、実に豊富に登場するのです。しかしそれなのに、そこで生きる主人公はいっこうに成長できない。『コナン』の設定と、平成の日本は、そのように重なって見えます。

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 繰り返しますが、作者の青山剛昌が、そう意図して描いている、というわけではありません。しかし、作品というのは当然、社会から影響されています。物語冒頭で「平成」という言葉を掲げた『コナン』の中に、ひょっとしたら作者も無意識のうちに、現実世界の私たちの似姿が描かれている。これは、なかなか興味深いことです。

 ただし、主人公が成長できないからといって、もちろん『コナン』の物語が全く何も起きないわけではありません。先ほど書いたように、コナンと名乗った新一は、ほんの少しずつ、黒ずくめの組織を追い詰めていきます。黒ずくめの組織とは一体何者なのか? 彼らの目的は何なのか? という謎の答えがちょっとずつ明かされるから、読者はどんどん、続きを読んでしまいます。

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