さやわか、名探偵コナンのように平成の真実を解き明かす (6/8ページ)

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だから『コナン』は、長期連載でもマンネリにならず、多くの読者から支持されているのです。

 そして『コナン』にはもうひとつ、ストーリー全体を引っ張る重要な要素があります。それは、恋愛です。
 そう、この物語は黒ずくめの組織の謎を中核に据えたミステリー作品でありながら、ラブストーリーとして成り立っているのが大きな特徴です。メインストーリーの「おまけ」として恋愛要素があるのではなく、明らかに恋愛を物語の中心に据えているのです。
 代表的な例はもちろん、主人公とヒロインである、新一と蘭の関係です。しかしそれだけでなく、実は『コナン』の物語には、キャラクターが恋愛をするシーンが、あまりにも多いのです。しかも、警視庁捜査一課の佐藤刑事と高木刑事、千葉刑事と婦警の三池苗子をはじめ、同じく婦警の宮本由美もプロ棋士の羽田秀吉と腐れ縁ですし、目黒警部も妻とラブラブです。つまり捜査関係者までが、彼氏彼女の関係になろうと努力したり、パートナーとのラブコメを演じたりする場面が、非常に多くあります。
『コナン』の登場人物たちは、言わば、凄惨な殺人事件の現場で、惚れた腫れたという話題を繰り広げているのです。それだけでも、もし現実世界ならびっくりする話ですよね。2日に一度のペースで事件が起こっていることも合わせて考えると、なんだかものすごい世界に思えてきます。

 ただし、恋愛要素の多さについても、青山剛昌は、作者自ら語っています。第49巻に収録されている連載500回を迎えてのコメントに、「これもひとえにこの『殺人ラブコメ漫画』」を見捨てずに読んで下さった読者の皆様のお陰です!」と書かれているのです。
「殺人ラブコメ漫画」というのは、ジョークのような言葉です。連載20周年の時、蘭に「1年もたってないのに随分昔の事のよう…」と言わせたのと同じような、自作へのツッコミみたいなものでしょう。
 しかし『コナン』が平成時代を反映した漫画だと考える僕にとってみれば、これは実に興味深い言葉です。平成を描いたはずの作品の、その中身が「殺人ラブコメ」になっていることにも、きっとその時代を反映した、深い理由があると思われるからです。

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