#へんてこアート入門 『刀剣博物館 日本刀の見方 姿』編 (2/5ページ)
例えば、鎌倉時代中期に作られた太刀である「長光(ながみつ)(銘 長光)」と、室町時代後期の1534年に作られた刀である「祐定(すけさだ)(銘 備前国住長船与三左衛門尉祐定作/天文三年二月吉日)」を見比べていただくと、反りや長さがだいぶ違うことが分かると思います。
長光
祐定
荒川さん これは刀剣を用いた戦闘方法が、馬上での一騎打ちのような使用から地上での集団戦での使用へと変わったことに由来します。
――なるほど。
荒川さん また、こちらの江戸時代後期の「水心子正秀(すいしんし まさひで)」には、展示されている側からは見えませんが、名前の後に「二腰両腕一割若瓜」と入っています。これは「截断銘(さいだんめい)」といい、罪人の死体で試し斬りをした際の切れ味を記したものです。
江戸時代になると実際に刀を用いて戦うことがなくなる分、このような形で切れ味を確認するということが行われました。