SF映画が現実に! 世界初「培養ステーキ肉」研究の第一人者から未来の研究者へ (3/8ページ)

学生の窓口

竹内教授 例えば、イヌの嗅覚は非常に鋭敏で「がん患者をかぎ分ける」「隠された麻薬を探知する」といった報告例が知られています。

イヌの集中力は15-60分程度といわれていますので、24時間連続して機能する嗅覚センサーを人工的に作れたら、利用シーンも大きく広がるでしょう。

また、人間の臓器と同じ機能を持つ組織が作れたら、新薬の開発に大きく貢献するでしょう。

現在は、製薬会社が一つの薬を開発するのに、数百億といった莫大な資金を投じていますが、マウスや人体での実験という過程を、その人造臓器を利用することで代替できるかもしれません。

――では、今回発表されたのは「培養肉」について教えて下さい。

竹内教授 培養組織の利用法の一つとして「食用培養肉」があるというわけです。食用肉が作れれば、食料難に備えることができますし、牛や豚も死ななくて済みます。

また飼育をする際に必要な大量の水や温室効果ガスを削減するなど、環境負荷を減らすことも可能でしょう。

大学生のころから「バイオハイブリッド」を考えていた

――竹内先生が「バイオハイブリッド」の研究を始めたきっかけは?

竹内教授 約20年前、わたしが大学4年生のころ、東京大学産業機械工学科で三浦宏文教授の研究室(三浦・下山研究室)に所属しており、「動くロボットをつくりたい」と思っていたんです。

当時、三浦先生は「昆虫規範型ロボット」という昆虫の基本的な機能を抽出してロボットを設計するという研究をされていたので、三浦先生からは「昆虫の動きを徹底的に観察し、本質を抽出したロボットをつくりなさい」と言われていました。

それで、昆虫の6足歩行を一生懸命観察したのですが、非常にしなやかで柔らかな動きをすることに驚きました。

この歩行をロボットで再現するにはどうしたらいいのか……一生懸命考えたのですが、当時のわたしの力ではどうにもならなくて。

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