SF映画が現実に! 世界初「培養ステーキ肉」研究の第一人者から未来の研究者へ (6/8ページ)

学生の窓口

好きなので「つらいこと」はない!

――逆に、この研究でつらいと思うことはありますか?

竹内教授 好きでやっていますので、特につらいことはないですね。

実験を行って結果が出ないとすごく悩みますが、これは研究者なら誰もが経験することですし、そこでつらいと言っているわけにはいかないですよね。

――なるほど。好きなことだからつらさはない、と。

竹内教授 そういうものだと思いますよ。

「バイオハイブリッド」が開く未来

――「バイオハイブリッド」研究の将来についてどのようにお考えでしょうか?

竹内教授 生体の機能を利用することができれば多くのイノベーションを起こせるでしょう。

例えば、先ほど挙げた「創薬」のジャンルでは、投薬実験によりたくさんの動物の命が失われています。

ただ、これも代替する培養臓器を作成することで、動物実験が不要となるのです。そのため、新薬の開発期間が短くなり、コストを抑えることが可能となります。

培養組織の利用は再生医療の世界でも注目されています。病気や事故で組織や臓器を失った際には、それを代替する培養組織を移植するのです。

――竹内先生の研究室では「筋肉で動くロボット」※1の研究成果も発表されていますね。

竹内教授 工学的手法を用いて骨格筋組織を作り、それを利用したバイオハイブリッドロボットです。

研究を進めていけば、将来的に神経刺激で駆動するバイオハイブリッドロボットが作れるかもしれません。

体外で作製でき、移植可能なハイブリッド義手・義足を作れる可能性があります。

――培養肉の将来も楽しみです。

竹内教授 食用の培養肉が大量生産できれば、食料難に対する一つの回答になるでしょう。

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