SF映画が現実に! 世界初「培養ステーキ肉」研究の第一人者から未来の研究者へ (2/8ページ)
実際の実用化に向けては、まだまだ多くの基礎研究が必要ですが、SF作品によく登場する「培養肉」が本当に作れる時代がやって来たのです!
研究テーマは「バイオハイブリッド」!今回の発表を行った東京大学 生産技術研究所 竹内昌治教授にお話を伺いました。
――竹内先生の過去の研究を拝見していますと、一貫して「生体」を利用したシステムを考えていらっしゃるようですね。
竹内教授 わたしが行っている研究をひと言でいえば「バイオハイブリッド(Biohybrid)」です。生体と機械のいいところをミックスさせて、新しいシステムをつくろうという研究です。
――バイオハイブリッドというのは新しい言葉ですね。
竹内教授 わたしは工学者ですから、工学を用いて世界をよくしていきたいと考えています。しかし、生体と同じような優れた機能を持つデバイスは、いまだ開発されていません。
生体は自己修復機能があり、増殖機能を持ち、自身のメンテも行う、これは夢のデバイスです。また、エネルギー効率も大変優れています。
人間の脳は(電力換算で)わずか20ワット程度のエネルギーしか消費しないといわれています。
――それは驚きですね。
竹内教授 生体と同じような機能を持つデバイスを完成させることは非常に難しいことで、そこまでいくには長い時間がかかるでしょう。
ならば「生体をそのまま利用することはできないのか?」「生体のいいところを工学利用はできないか?」というのが、バイオハイブリッドの基本的な考え方です。
――「工学利用可能な生体組織を作る」という研究には大きな可能性があるのですね。