役者魂がすごすぎ……肉体改造がすごい俳優たちのエピソード (4/5ページ)
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「体形をも変化させる役作り」で定評のある俳優は他にもいますが、その元祖といってもいいのがロバート・デ・ニーロです。
元祖カメレオン役者、ロバート・デ・ニーロが役作りに懸ける執念その人間になり切ってしまう。そうすれば台本に書かれていないことでも表現できる、という「メソッド演技」。この技術を体現する俳優といえば、やはりロバート・デ・ニーロ。元祖カメレオン役者ともいえる人ですが、役作りに懸ける熱意は昔からすごいものがあります。
『タクシードライバー』(1976年)では、ニューヨークでタクシードライバーを営むトラビスを演じるため、体重を15kg減らして臨み、痩せっぽちで孤独なベトナム帰還兵を体現してみせました。
『ラスト・タイクーン』(1976年)でも、妻の死に打ちのめされた夫を演じるため19kgの減量を行っています。『レイジング・ブル』(1980年)では、ミドル級チャンピオンになるボクサーを演じましたが、絞りに絞った肉体から引退後の太った体まで、27kgも体重を増量しました。
体形を変化させるのもすごいのですが、デ・ニーロのすごみは、むしろ役の人間そのものになろうとする努力にあります。これは、現在では「デ・ニーロ・アプローチ」といわれますが、彼が作品のために行ったことをピックアップしてみましょう。
●『ディア・ハンター』(1978年)
ピッツバーグ近郊出身の若者たちの物語なので、デ・ニーロは撮影開始数カ月前からピッツバーグで暮らし始めた。ついでに鉄工所で働こうとしたが断られる。
ちなみに、この映画の主役の一人クリストファー・ウォーケンは、ベトナム戦争で疲れ果てた若者を体現するため、丸1週間バナナと水だけを取って役に臨んだ。