リーダーは未来だけを語っても無意味。伊藤羊一氏が明かす「周囲を動かすために必要なこと」 (2/5ページ)

新刊JP

安心して自分の悩みや考えを言える場所として機能させる。もう1つは、いろいろ話してもらって、自身の成長の場にする。要はコーチングですね。マネージャーは質問を通じて相手に気づきを得るように促します。

僕がヤフーに転職してきて、「1 on 1」を定期的にやるようになってから、それまで、メンバーと全然話をしてこなかったことに気づいたんですよ。メンバーそれぞれが楽しく仕事できて、良いパフォーマンスをあげられるようになるためには、定期的に向き合う時間が必要です。仕事の進捗報告だけではなくてね。

――ただ、1人につき毎週30分となると、部下が多い人はそれだけで一週間が終わってしまいそうです。

伊藤:そうなんですよね。ですからおそらく6人くらいが限度だと思います。部下が10人くらいなら2週間に1回にするとかになるんでしょうけど、じゃあ、頻度を1ヶ月に1回にすると間が開きすぎな印象です。一ヶ月たつと、大抵、前に話したことを覚えていないから。

前職では500人ほど部下がいましたけど、その時は「MBWA」(Management By Walking Around)を実践していました。「歩き回るマネジメント」という意味で、本当にぶらぶらと歩きまわって声をかける。「また伊藤さんが邪魔しに来た!」みたいな感じで怒られることもあるのですが、お菓子をもらったり、「あ、ちょっといいですか?相談したいことがあって」と声をかけられたりすることもあります。

■人を動かすということは、未来だけでは足りない ――本書は「動く」というところから、人を巻き込むという部分にも踏み込んでいき、自分の人生の戦略をどう作り上げていくかというところまでが書かれている壮大な一冊です。巻き込むということは「人を動かす」ということですが、これも難しいです。

伊藤:周囲から自分のことを理解されていないまま巻き込もうとしても、周囲は誰も動きません。それはなぜかというと、発言や行動の背景が分かっていないからです。「なぜこの人はこんなことを言うんだろう」という背景=「Why?」(なんで)が分からない。でも、言葉や行動の裏には、その人の過去の経験があるはずです。こういう経験をしたから、今こう動いている。

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