方言は悪いことば?かつて鎌倉で行われた言葉狩り「ネ・サ・ヨ運動」の黒歴史を紹介 (5/6ページ)

Japaaan

ネ・サ・ヨ祭りの様子(イメージ)

これが「ネ・サ・ヨ運動」として全国的に紹介され、全国各地の「ことばの問題(要するに方言追放運動)」に取り組む100校ばかりと姉妹校となったそうですが、この21世紀、令和の御代になってもまだ「悪いことば」を短冊に書いて燃やしている学校はあるのでしょうか。

エピローグ

「きみのことのなかに きみがいる
あなたのことばのなかに あなたがいる」

※腰越小学校「ことばの碑」碑文

令和の現在、腰越小学校で「ネ・サ・ヨ祭り」が実施されている様子はありませんが、朝日新聞神奈川版によると、少なくとも昭和四十1965年12月に「悪いことば追放週間」が行われた記事があります。

紙面によれば校庭の片隅に建立された「ことばの碑(昭和三十八1963年、運動5周年記念)」を前に恒例の「ネ・サ・ヨ祭り」が行われ、腰越のさらなる発展のため「悪いことばを使う必要がないよう正しく美しい心の持ち主になる」ことを、児童・教師・父兄ともども誓い合ったそうです。

何をもって「発展」とするのかは人それぞれ価値観の分かれるところですが、土地の歴史に根ざした文化や言葉を躍起になって否定し、自分たちのスタンダードを強制する姿勢や精神が、果たして「正しく、美しい」と言えるものでしょうか。

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