家族や恋人、親友が罪を犯したとき、人は嘘をついてでもかばおうとする傾向があることが明らかに(米研究)
image credit:Pixabay
深夜、見知らぬ不審な人物が誰かの家に侵入している場面を目撃したとしよう。きっとあなたは警察に通報するだろう。
でも、もしその不審者が家族や恋人、親友だったとしたら?
『Personality and Social Psychology Bulletin』(9月19日付)に掲載された新しい研究によれば、そのような時、人は犯罪を犯そうとした身近な人をかばおうとする傾向があるらしい。
・もし家族が強盗する姿を目撃したらそのときあなたは?
アメリカ・ミシガン大学の研究グループは、3000人ほどの参加者を対象とした一連の研究を行い、親しい人が犯罪を犯した場面を目撃したときの対応について調査した。
最初に行われた研究ではまず、参加者に親しい人(恋人など)から「面識はある」程度の知人(運送屋など)までの9名の名前を挙げてもらった。
それから、名前を挙げたそれぞれの人物が各種犯罪(ファイルの違法ダウンロードなどの軽犯罪から強盗などの重犯罪まで)を犯した瞬間を目撃してしまった状況を想像するように指示。
もしそのときに警察から職務質問をされたら、正直に話をするかそれとも何も知らないと嘘をつくかを尋ねた。

image credit:Pixabay
・犯した犯罪が重ければ重いほどに嘘をついてかばう傾向
その結果、自分の親しい人が犯罪を犯した場合は、知人だった場合に比べると警察に嘘をつくという回答が多くなったのだとか。
そのこと自体はそれほど意外ではないかもしれない。だが憂慮すべきことは、犯された犯罪が重いものであるほどに嘘をつくという回答が増えたことだ。
なお、この点についてさらに詳しく調べるために、別バージョンの実験が行われた。
こちらでは重犯罪として痴漢のようなセクハラ行為が含まれていたのだが、それでも先ほどと同じような結果になったとのこと。
さらに、この身近な人をかばおうとする傾向は、性別・政治的信条・道徳観によって変化しないことも明らかになっている。

image credit:Pixabay
・道徳的な自己イメージと身近な人との絆を守るために嘘をつく
参加者は、嘘をついて親しい人をかばうのは自分自身のためだと感じていた一方、それほど親しくない人たちをかばうことは社会にとって有害な行為であると感じていた。
ただし身近な人をかばうと答えた参加者であっても、犯罪行為の重大さはきちんと理解しているようだった。
別の実験で、参加者に親しい人とただの知人が犯した犯罪の不道徳さを評価してもらったところ、どちらの犯罪も同じように評価されていたからだ。
ちなみに、親しい人をかばうことを正当化する言い訳として多かったものは「自分自身でその犯罪について後で問い質す」というものだった。
研究グループはこのことについて、道徳的であるという自己イメージを守りつつ同時に犯罪を犯した身近な人との絆を守る(あるいはいっそう強める)ことができるのではないかと推測している。
過去に犯罪を犯したことがあったが、周囲の人たちが黙っていたためになかなか発覚せず、かなり後になってからスキャンダルになったという著名人は幾人もいる。
今回の研究結果はそのような事件が繰り返し発生する理由を説明するかもしれない。

image credit:Pixabay
・実際に親しい人が犯罪を犯したとき嘘をつかずにいられるか
もしかしたらあなた自身は親しいからといって無闇にかばったりはせず、きちんと法の下に罪を償わせると考えているかもしれない。それが相手のためなのだ、と。
しかし現実には、実際のそのような立場になれば、今回の参加者たちのように親しい人をかばいたくなるかもしれない。
もちろん今回の研究は、ある状況を想像してもらい、そのときの行動をやはり想像で回答してもらった結果にもとづいているに過ぎない。
ゆえに現実にそのような状況なっても、本当に嘘をついてかばうかどうかはまた別の話だ。
だが、愛する人ならば犯罪を犯したとしても警察から守ってやりたい・・・とつい考えてしまう気持ちを人々が過小評価しているらしいことはうかがえるのかもしれない。
References:Personality and Social Psychology Bulletin / BPS / written by hiroching / edited by usagi