噴火で炭化してしまった古代のパピルスの巻物を最新のAI技術で広げることなく解読する試み(英研究) (2/4ページ)
1752年に発掘されてから200年以上の間、学者たちはこの遺物をなんとか解読しようと神経をすり減らしながら奮闘してきた。
だが炭化したパピルスはチョウの翅のように脆く、ちょっと触っただけでも無残にボロボロになってしまい、なにが書いてあるかわからないほどインクがかすんでしまっている。
苦心して巻物を広げようとしては失敗を繰り返すこと数十年、最近の新技術のおかげでついに巻物を破損させることなくその内容を読むことができるようになるかもしれない。
高解像度スキャナーとアルゴリズムを学習させたAI(人工知能)技術をかけ合わせて、レントゲンではわからなかった炭化した紙に書かれた炭素インクを可視化するのだ。
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・炭化した2つの巻物と4つの小さな破片のスキャン準備中
数十年の研究を経て、古代文献の著名な解読者であるブレント・シールズ氏は、このダブル技術を応用したアプローチは研究チームの絶好のチャンスだったと振り返る。
「ヘルクラネウムの巻物」の解読は、シールズ氏にとって長年の目標だった。
現在、イギリスにある粒子加速器を使って、固まったままの巻物ふたつと、フランス学士院が所蔵する4つの小さな破片をスキャンする準備を進めている。
英シンクロトロン施設「ダイヤモンドライトソース」の最新シンクロトロン(円形粒子加速器)は、太陽よりも1000億倍も明るい光を放つことができ、巻物を回転させて360度すべての方向からみることができる。
巻物をいじり回すことなく、非常に詳細にスキャンすることができるのは初めてのことになるだろう。
シールズ氏は、
これから行うスキャンで、即座に巻物の中身を見ることができるとは思っていない。