ハロウィンがここまで日本に根付いた理由って? 渋谷ハロウィン流行の原因を調査! #もやもや解決ゼミ (3/4ページ)
特に渋谷スクランブル交差点周辺は、群衆で埋め尽くされています。実際に訪れてそこに身を置いてみると、情動や熱狂といった、リアルの場だからこそ体験できるものがあります。また現場では、他の参加者とその場かぎりの広く浅いコミュニケーションを楽しみつつ、そこで撮影した写真をSNSにアップするなど、情報空間上でも集団的体験を共有できるのです。
こうした情報が「物理的な都市空間」と「ソーシャルメディア」の間でループを繰り返すことで、自らも参加して体験を共有したいという人がさらに増え、特に渋谷など都市部でのハロウィンが拡大したのではないでしょうか。
渋谷の街のハロウィンが流行した理由とは?渋谷の街の中でも、特にスクランブル交差点はイベントがあるたびに多くの人が集まって騒ぐスポットとして、広く知られています。この傾向は1999年年末の「ミレニアムカウントダウン」から始まり、2002年の日韓ワールドカップ辺りから、群衆の規模の大小はありますが、恒例行事のようになりました。
実は、スクランブル交差点は空間的形態として、すり鉢状の地形の底に位置し、建物によって囲まれた、劇場やスタジアムのアリーナのような形状になっています。
そのため「QFRONT」や「渋谷マークシティ」など、多方面からスクランブル交差点を見下ろすことができ、スクランブル交差点を行き交う人が役者で、見下ろす人が観客といった「見る・見られる」の構造になっているのです。
こうした渋谷スクランブル交差点の空間的条件も、マスメディアの映像やモバイルメディアの写真との相性がよく、渋谷でのハロウィンの拡大化に影響したのではないでしょうか。