<東京暮らし(16)>「不登校」を考える (4/6ページ)

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これくらいできて当たり前、という態度で子どもに接すると、子どもは家の中で弱音が吐けず、ストレスのはけ口が学校で、より弱い子どもへのいじめ、暴力に向かいがちだと言う。

西野 学校に行かない理由は、実は子ども自身にもわからないことが多いんです。大人に聞かれたら何かしら答えるかもしれない。でも理由は一つではなくて、明確にはわからない、という子どもがほとんどだと思います。学校に行けない子は、「困った子」ではなくて、「困っている子」なんです。ここはそんな子たちにとって、「誰も排除しない。生きている、ただそれだけで祝福される場」でありたい。えんでは、アーティストや役者、ミュージシャン、外国人の英会話講師など、いろいろな人が来て、講座を行っています。例えば、元小学校教諭で、現在は地域の子どもたちに科学を楽しむ教室を「出前」している平林浩先生が来てくれた時。先生に、「『学力』って何ですかね?」と聞いてみると、「出会いをものにする力ですかね」という答えが返ってきました。AIが人間の知能を超える時代の教育とは、目標に向かってがんばる力・人とうまく関わる力・感情のコントロールができる力を育むことじゃないでしょうか。えんでは、希望した子たちは、通信制を含めて多くは高校へ進学しました。大学へ行って希望の職に就いた子も複数います。

「誰もが排除されない居場所」に

ランチが準備される中、スタッフの方と子どもたちにも少し話を聞くことができた。まずは、非常勤職員の愛甲香織さん。自身も高校の時不登校になり、自主退学して通信制高校を卒業した。

当時通っていたフリースクールで出会った西野さんがたまりばを始めたのをきっかけに、もう20年以上西野さんと一緒に不登校の子どもたちと関わっているという。自身の経験も振り返りながら、次のような話をしてくれた。

愛甲 子どもの時って、世界が狭いですよね。学校と家の往復で、そこしか知らないから、追いつめられる。でもよく考えると、学校って特殊な環境ですよね。同じ地域の同じ年の40人と毎日ずっと一緒。大人になったらそんな世界はないから、学校に馴染めない子がいても当たり前。大人になっていくと世界が広がって、社会ってもっと雑多なものだってわかりますよね。目の前が開けてくるというか。

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