【火葬場不足問題】火葬場新設や増強以外の方法で今すぐできる2つの対策 (2/3ページ)

心に残る家族葬

一番大きな理由は毎年亡くなる人が増加する多死社会にあって特に人口の多い都市部で火葬場(正確には設置された火葬炉数)が慢性的に不足しているからである。

■火葬場の今と昔

厚生労働省の人口動態総覧の年次推移によれば、1988年の死亡数79万人、2018年の死亡数137万人と58万人増加しているが(注2)、日本環境斎苑協会の全国の火葬場数の推移によれば、1988年の火葬場数1921か所、2018年8月の火葬場数1457か所と464か所減少している(注3)。これは老朽化した小規模施設の廃止や大規模集約化が進んだもので、都市部では火葬炉数は増加していると考えられるが、死者数の増加に比例しては増加していないのだ。しかし都市部の市町村はそれぞれ事情が異なるので、その市町村の人口、高齢化率、死亡者数の推計、現在の火葬実績から予想される火葬炉の不足を分析し、火葬場計画を検討することが必要である。

■都市部の火葬場不足の解決方法において新設が難しい理由

今後、団塊の世代の高齢化が進むと今後しばらくは今以上の多死社会が到来することは明らかで(2040年頃が死者数のピークと言われている)、都市部の火葬場不足はより深刻になるだろう。最も簡単な解決方法は火葬場の新設又は老朽化した既存施設の更新、能力増強だろう。

2018年8月現在公設の火葬場は大規模集約化で1402か所と1988年の1635か所から233か所の減少であるのに対して、宗教法人、民間企業、自治会などの民営の火葬場は48か所と廃止や統合で1988年の306か所から大きく減少している(注4)。

ところが新設や増強には大きな問題が伴う。それは近隣住民からの反対、大規模な用地取得、公害対策、建設資金の調達、死亡者数がピークアウト後の施設の利用など民間では対応が困難であるので、設置主体は市町村の地方自治体にならざるを得ないだろう。

横浜市もようやく大黒埠頭の近くに2025年を目途に16基の火葬炉を有す火葬場の建設計画を発表したが、どこの自治体も火葬場の新設、増設は容易ではないだろう。

■火葬場不足問題の今すぐできる解決方法1:既存火葬炉の稼働率の向上

まずは既存火葬炉の稼働率の向上である。

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