意外と知らない、映画配給会社のマーク・ロゴの由来を調べてみた! (3/4ページ)

学生の窓口

岡田さんは東京美術学校(現在の東京藝術大学)の図案科を出た後に映画界に入ったという、当時としても変わった経歴の持ち主でした。

岡田さん自身は、このマークについて「江戸時代から伝わる最中の文様がヒントになった」としています。また「円はカメラのレンズを表している」とも。1943年(昭和18年)に東宝映画株式会社と株式会社東京宝塚劇場が合併して「東宝株式会社」となりますが、丸に東宝の文字という意匠は変化せず、現在に至るも使い続けられているのです。

東映


東映の作品では、荒磯に波が砕けるシークエンスの前面に三角形に囲まれた東映という文字が表示されます。

このトップタイトルは通称「荒磯に波」といいます。オリジナルの「荒磯に波」は、東映初代社長の大川博さんが、東京撮影所に対して新生東映にふさわしいオープニングタイトルを制作するようにと指示したことで作られました。

押山博治さん、西川庄衛さん、飯村雅彦さん、中村修一郎さんの4人がこの任に当たり、紆余曲折の末、完成させたのです。初めて「荒磯に波」が使われた作品は1954年(昭和29年)公開の『旗本退屈男 謎の怪人屋敷』です。

1955年(昭和30年)には、先の西川さん、飯村さんの手によって早くもバージョンアップが行われました。このときには2.5倍ハイスピードカメラによって撮影が行われました。さらに1957年(昭和32年)には、特殊撮影部門の小西昌三さん、木村省吾さんが選出され、歪曲レンズを用いたシネスコ版の「荒磯に波」が撮影されました。

東映の三角マークを象徴するように三角形に並んだ三つの岩に白波が押し寄せるパターンの「荒磯に波」は、1957年(昭和32年)公開の『旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷』で確立。シネスコサイズからビスタサイズへ規格が変更する中、ビスタサイズの「荒磯に波」は、1977年(昭和52年)公開の『ボクサー』から使用されています。

2001年(平成13年)には、海上に光のトンネルが現れ、そこから打ち寄せる波がCGで強調されるという、リニューアル版の新トップタイトルも制作されました。

角川映画

角川映画では、鳳凰(ほうおう)のマークが表示されます。

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