自動運転車に必要なのは利己的・利他的な人間の思考だった(米研究) (1/5ページ)
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交通量の多い道路で右折するときのことを想像してほしい。
対向車線からは車がびゅんびゅん飛んできて、なかなか曲がれずイライラする。しばらくすると親切なドライバーが減速してくれそうな雰囲気を出している。安全を確認し、ようやく右折することができた。
路上ではこんな状況がいく度となく繰り返されているのだが、これは人間同士ドライバーが心をくみ取っているからだ。人によっては利己的な運転をし、人によっては利他的な運転をする。その空気を読みながら運転をしているのだ。
だが残念なことに自動運転車だとこうはいかない。そこで研究者は、自動運転車に人間の心の理論を教え込むことにした。
・人間はドライバー同士で心を読みあっている
我々人間は、意識的、あるいは無意識のうちに他人の考えていることを推測する。
これは社会で生きていくには欠かすことのできない能力で、もちろん車の運転でもそうだ。利己的なドライバーを警戒する一方で、利他的なドライバーの発する「お先にどうぞ」のサインを読み取りそれに応じる。それらは曖昧なものだが、私たちはなんとなく察することができる。
だが残念なことに自動運転車はこうしたことが得意ではない。自動運転車は相手ドライバーに自分の意思を伝えるようなサインを出さないから、先に行っていいのか待つべきなのか人間ドライバーは判断がつかない。
カリフォルニア州で起きた自動運転車がらみの事故を調査したところ、その半数は人間のドライバーが自動運転車の動きを理解できなかったことに起因する追突事故であると判明しているくらいだ。