愉快な歌なのに(泣)しょ、しょ、証城寺♪童謡「証城寺の狸ばやし」に歌われなかった悲しすぎる結末 (3/5ページ)

Japaaan

「どうじゃ和尚!参ったか!」

目を丸くした和尚を前に、勝ち誇る親分狸。ここで和尚が一言「参った」と言っておけば、後の悲劇は起こらなかったかも知れません。

「わ……わ……」

和尚は完全に驚いていましたが、その感情は恐怖よりも歓喜の勝ったものでした。

「……わぁい!わしも負けんぞ!待っておれ!」

そう言うなり奥へ引っ込み、自慢の三味線を持ってきました。

「お主らが腹鼓なら、わしはこの三味線で勝負じゃ!」

さっきまで気圧されていた和尚が元気を取り戻したのを見て、親分狸は気が気ではありません。

「おのれ和尚め……野郎ども、こうなったら本気で行くぞ!」

「「「おおぅ……っ!」」」

祭りばやしに興じる親分狸と和尚(イメージ)。

それからと言うもの、和尚と狸たちは毎晩々々、夜が明けるまで腹鼓と三味線で祭りばやしに興じたそうで、狸たちはともかく、昼間の勤行(おつとめ)もあろう和尚の睡眠不足が気になるところです。

「人間ながら天晴れ」……親分狸の死

しかし、そんな楽しい?オールナイト合戦も、いつまでもは続きませんでした。

三味線を構えながら「さぁ来い、狸たちよ!」と意気込んでいた和尚ですが、その晩はいつまでも経っても狸たちはやって来ませんでした。

「あれ……?」すっかり拍子抜けしてしまった和尚の持っていた三味線の弦が、いきなりバチンと切れました。

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