プロレスを見て「面白い!」と思うのはなぜか。現役選手が教える「表現としてのプロレス」 (1/3ページ)
普段見ているバラエティやドラマなどのテレビ番組。演劇やライブ・コンサートなどのステージ。感動を誘い、時には大笑いを促す映画。
そうしたものを観たとき、あなたの中に生まれた「面白い」「感情移入した」「分かりやすい」といった感情がどこから来たのか考えたことはあるだろうか。つまり、「なぜ面白いのか」「なぜ分かりやすいのか」といったことを考える、ということである。
これを突き詰めて研究していくと、どんな表現においても、人を感動させたり楽しませたりするものには「型」「定石」「ルール」のようなものがあることが分かってくる。
■アメリカのプロレス団体WWEで知った「サイコロジー」ツイッターに自身のプロレス論を投稿し、しばしば物議を醸すこともある現役プロレスラー・TAJIRIさん。2018年8月5日の「プロレスってスポーツでも格闘技でもない。表現の世界だとオレは思う」という文章から始まるツイッターの投稿(*1)には、「格闘技じゃないの?」といった批判のコメントも寄せられた。
しかし、この「表現の世界だと思う」というTAJIRIさんの言葉は、自身の多彩な経験に裏打ちされたものだ。
TAJIRIさんの著書『プロレスラーは観客に何を見せているのか』(草思社刊)は自身のプロレス遍歴を振り返りつつ、「プロレスとは一体何か」という思索を書き綴った一冊。そんなTAJIRIさんのプロレス観に最も影響を強く与えたプロレス団体がアメリカ最大最強のプロレス団体であるWWEだ。
2001年から2005年まで在籍したWWEで彼は「サイコロジー」という言葉を知る。
「サイコロジー」は日本語では「心理学」となるが、WWEにおいては「こうなれば、ああするはずだから、こうしていくべきである」という文脈で用いられる、いわば「ルール」というべきものだ。
しかし、これだけの説明ではまだあまり理解できないだろう。