昔の日本ではきちんとした座り方ではなかった「正座」が丁寧な作法に取り入れられた理由 (3/3ページ)

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「正座」が丁寧な作法に取り入れられた理由

「あぐら」が正式な座り方だった日本で「正座」が「正しい座り方」となったのは、江戸時代からです。

きっかけは、江戸幕府が「参勤交代のため全国から集まった大名たちが将軍に向かって座るときの座り方」として、小笠原流礼法にもとづいた現在の正座を定めたことでした。

それが明治維新による「四民平等」により礼法が統一される中で、一般の人の間でも「かしこまった座り方=正座」とされたのです。

それにしても、長時間続けると足がしびれてすぐには立ち上がれなくなるような「正座」が、なぜ敢えて将軍の前で座るときの礼儀作法とされたのでしょうか?

実は自然界では、正座は人間だけが行う座り方で、他の動物はしません。
理由は、弱肉強食の自然界で足がしびれて立つだけで時間がかかるような座り方をしていたら、他の肉食動物の格好の獲物となり、生き残れないからです。

逆に考えると、目上の人の前で目下の人が正座をしていたら、不意打ちで目上の人を襲撃!ということは難しくなるといえます。

このことがどれくらい影響したのかはわかりませんが、江戸時代にはそれまで存在した「下剋上」がなくなり、「士農工商」の身分制度が確立、「太平の世」が1603~1868年という265年間にわたって続くことになったのでした。

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