薬剤耐性ウイルスを駆逐する新型分子が開発される(英・スイス共同研究) (1/2ページ)
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ウイルスを殺すのはただでさえ難しいというのに、抗ウイルス剤の開発には、人体の細胞を傷つけてはいけないという厄介な制約まである。
ウイルスを破壊できる化学物質のほとんどには、大なり小なり副作用が付きものである。だから、ウイルスに対する一般的な対処方法は、それを殺すのではなく、細胞への感染能力や複製能力を阻害するというアプローチになる。
イギリスとスイスの研究グループがオリゴ糖類から開発したその新型分子は、ウイルスとの戦いにおける新たなる武器になるかもしれない。
・ウイルスに耐性を発達させる時間を与えない
新たにオリゴ糖から開発された新型分子は、細胞を傷つけないまま、ウイルスを殺すことができる。
その凄いところは、従来の抗ウイルス剤よりもずっと早くウイルスを殺せる点だ。
抗ウイルス剤がウイルスと接触してからそれを破壊するまでの時間差は、ウイルスにとっては抵抗力を発達させる絶好のチャンスである。しかし新型抗ウイルス剤はそのような間を与えることなく敵を駆逐する。
しかもたった1種だけでなく、いろいろな種類のウイルスに対して効力を発揮してくれる。

EPFL.
・ヘルペス、HIV、C型肝炎ウイルスなど、様々なウイルスを撃破
新型抗ウイルス剤は、「シクロデキストリン」という環状オリゴ糖の一種を、「ヘパラン硫酸」を真似して改変したもの。その結果、ウイルスの膜にくっつき、引き裂く能力を手に入れた。
ヘルペス、HIV、C型肝炎ウイルス、ジカウイルス、RSウイルスなどを対象とした試験では、培養組織と生体のマウスどちらのケースでも、いずれのウイルスに対しても優れた効果を発揮したと報告されている。