「寝ていないこと」を美徳とする文化を変える。気鋭の起業家が語る「睡眠の本当の重要性」 (3/5ページ)

新刊JP

小林:私は睡眠の意義について2つの軸で考えます。

1つ目は個人の軸ですが、これは病気の予防などの健康状態もそうですし、メンタル面においても重要です。集中力の持続や、思考力、記憶力においても睡眠不足は悪い影響を与えます。さらに睡眠を疎かにするとストレス耐性が弱くなるということも分かっています。

2つ目の軸は会社や国といった「組織」です。組織は個人が集まった集合体ですから、個人の健康状態が悪くなれば組織も不健康になります。パフォーマンスを最大化するには、個人が健康でいる必要がありますから、個人に悪影響を及ぼす睡眠の問題は解決すべきだと考えます。

会社を例に言うと、個人の睡眠の改善が組織の貢献につながり、それが売上や利益、さらには資本主義社会の評価指標である時価総額にも反映する。個人の幸せが会社の幸せにとっても重要なファクターなんです。

――睡眠の話で言えば、「一番長生きする睡眠時間は7時間」ですとか、「90分周期で睡眠をしよう」と、形式的に時間で区切って「良い睡眠」と定義されることがあります。でも本書では「適正な睡眠には個人差がある」と書かれていますね。

小林:そうです。客観的な事実として、睡眠も多様です。適正睡眠時間や朝型夜型などのクロノタイプは遺伝子で決まっていますが、個人によって異なります。また、おっしゃった睡眠周期も、90分は平均であって、70分の人もいれば110分の人もいます。実は睡眠周期が70分なのに、90分に合わせてしまうと逆に良い睡眠はとれない。

平均を一般化することはナンセンスです。睡眠はパーソナライズして考える必要があります。そこは睡眠を計測するデバイスを用いて、自分自身の適正な睡眠を把握することから始まるわけです。

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