刺客となった悲劇の皇后!日本神話のヒロイン・狭穂姫命と兄の禁断の関係【中】 (3/4ページ)

Japaaan

「あぁ、よく寝た……む?そなた、その涙は何とした!

事情を全く知らない垂仁天皇は、狭穂姫命の泣き顔を見て、大層慌てふためきました。

「どこか身体の具合でも悪いのか?それとも、何か悩みでもあるのか?何でも包まず話すがよい。朕(ちん。天皇陛下の一人称)があらゆる手を尽くして、そなたの笑顔を取り戻して見せようぞ!」

あぁ……この方は、こんなにも純粋に私を愛して下さっていたのに……。そんな良心の呵責から、狭穂姫命は兄の野望や暗殺計画など、すべて包み隠さず白状してしまいました。

「そうであったか……道理で今しがた、錦色の蛇が私の首に巻きついたと思ったら、佐保の方角から湧き起こった雲の降らせた雨が、私の頬にかかった夢を見たのであるな……」

垂仁天皇は実に悩ましくも、怒り切れない表情で言葉を続けます。

「……君臣のけじめがあるため、謀叛人であるそなたの兄は罰せねばならぬが、そなたと、もうすぐ生まれる子供には幸せであって欲しい……たとえ誰の子であろうと、その子に罪はないからのう……」

「!」

結婚してからしばらく、二人の間には子供が出来ませんでしたが、兄との密会を重ね始めた十か月ほど前から、狭穂姫命の母体に変化が表れたのでした。

「朕はそなたと、そなたの子を愛している。

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