刺客となった悲劇の皇后!日本神話のヒロイン・狭穂姫命と兄の禁断の関係【下】 (2/4ページ)
「いいえ……わたくしは主上の深き愛情を受ける価値のない不義の身なれば、同じく不義の兄ともども、ここで果てる覚悟にございます……!」
そう言い放つと、いよいよ陣痛が始まったのか、出産のため奥へと引っ込んでしまいました。
「そんな……!」
がっくりと項垂れる垂仁天皇の姿を見下ろして、狭穂彦王は高笑い。
「ははは……たかが女ひとりに、一天万乗(※2)の君もザマぁないな!……さぁ、これで気が済んだ。者ども、城に火を放て!」
最愛なる妹の奪還、そして垂仁天皇の屈伏をもって野心を満たした狭穂彦王は、家臣たちに命じて城に火を放たせます。
「やめろ、やめてくれ……!」
見る間に炎上する城の中から、元気よく赤子の産声が響いてきました。
炎の中で生まれた子供「おぉ……ついに我が子が生まれたか!」
出産を終えた狭穂姫命が再び城の上に姿を現し、赤子を抱いた侍女の一人が、垂仁天皇の元へやって来ました。