感染症に関する知識を正しく身に着けよう。疫学で学ぶ病気の広がり (1/4ページ)
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現在、世界中の科学者や医療関係者が日夜懸命になって、猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症が広まる仕組みや、それが世界のほかの地域に与えるリスクを解明しようとしている。
感染症の流行動態を研究する科学の一分野に疫学がある。疫学は「確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布、およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」と定義されている。
海外サイトにて、疫学の基本的な概念が説明されていたので見ていくことにしよう。正しい知識は、嘘の情報やいたずらに恐怖心を煽るニュースなどから守ってくれることだろう。
・その感染力はどのくらいか?基本再生産数
感染症でまず気になるのが、その病気は一体どのくらい感染力が強いのか? ということだ。
その力を把握する指標の1つが、「基本再生産数(R0)」である。
これは1人の感染者から平均して何人の新しい感染者が生まれるかを表している。R0が1未満ならば、ある感染者からまた別の人にうつる可能性は低い。そのため、その感染症はやがて消えてしまう。
だが1よりも大きければ、1人の感染者から平均1人以上の別の感染者が生まれるということを意味する。すると、新しく感染した人はまた別の人にもうつし、それ以上感染する人がいなくなるまで病気は拡大し続ける。