野村克也「プロ野球界への遺言」 (4/5ページ)

日刊大衆

“年を取ってからは戦友としての意識のほうが強い”とも口にしていました」(本誌連載担当)

 そんな思いは、ONのほうも同じだったようだ。

「ミスターは、歴代ベストナインに選出するなど、ノムさんの“野球脳”を高く評価していました。2018年2月に行われた巨人南海のOB戦では、サッチーさん(沙知代夫人)を亡くしたばかりのノムさんを心配し、励ましの言葉をかけたそうです。一時は不仲説もありましたが、関係はけっして悪くありませんでした」(元番記者)

 長嶋氏は、野村さんへの追悼コメントで、1月に出席した金田正一さんのお別れの会の席上、“お互い頑張ろう”と励まし合ったことを明かしている。

 また、王氏は同じく追悼会見の中で、“同じ時代を悪戦苦闘しながら戦った戦友”と野村さんを評した。

「王さんは“野球を突き詰めている”と、ノムさんの求道家的な姿勢を尊敬していた。2人がプライベートで打撃論をよく語り合っていたことは有名ですし、ハイレベルな2人ゆえの、特別な絆があったんでしょう」(旧知の元記者)

■“野村野球”の遺伝子を受け継いで

 野村さんが本音で語ったのは、ライバルに関することだけではない。現場を離れた近年では、日本球界への危機感も口にしていた。〈野球が「ただ投げて打って走るだけのスポーツ」になり下がっている。戦力の優劣がそのまま勝敗に直結するから、意外性や面白みなんてあるわけがない〉

「野村監督の持論は“野球は頭のスポーツ”。次のプレーまでに頭をフルに働かせ、行動に移す。それが醍醐味なのに、それが今の野球では失われているというわけです。くしくも、あのイチローも、引退会見で野村監督と同じことを危惧していました」(球界関係者)

 そして、ときに苦言は野村さん自身にも向けられた。〈監督を務められる人材が球界に不足している。

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