「遺言を書けば安心」はまちがい もめる相続はここが悪い! (2/5ページ)

新刊JP

――弟たちは「それなら家を売ってお金を作ればいいのでは」となります。

木下:そうです。でもそれは、長男からしたら「何言ってんだ」でしょう。これは額が一桁下がって何百万円の話でも同じです。普通の人にとって、100万円単位のお金が無税で入るというのは大きなことじゃないですか。相続でもめるかもめないかは分け方の問題というのはそういう意味なんです。

――財産が預貯金だけとは限りませんからね。

木下:お金だけなんてありえないですよ。ほとんどの場合は不動産があったり、生命保険があったりします。

亡くなった親が死亡時に3,000万円入る生命保険に加入していて、保険金の受取人指定が長男になっていたとしたら、法的にはその保険金は長男のものです。兄弟と分ける必要はない。

それに加えて預貯金が3,000万円あったら、相続ではそれを3兄弟で分けます。これが「俺は保険金が3,000万円入ったから、預貯金の方は1,500万円ずつ分けな」とは、実際なかなかならないんです。長男ががめつい人だと保険金の方は置いておいて「3人で1,000万円ずつね」と平気で言ったりする。

「自分はそんなことは言わない」と今は思うかもしれませんが、その場になったら結構こういうことを言うんですよ。だって、相続の時にたまたまリストラされて仕事がなかったり、何らかの理由でお金が必要だったりすることもあるわけじゃないですか。なんだかんだ一度にまとまったお金が入るのって退職金と相続くらいですからね。

――相続では財産目録を作ったり、相続税の申告をしたりと税理士のお世話になることが多いと思いますが、信頼できる税理士の見分け方はありますか?

木下:一年に相続税の申告を何件やっているか聞いてみるのがいいと思います。年間の申告件数を税理士登録者数で割るとだいたい1.8くらいになるので、単純計算で平均すると、税理士って年に2件相続をやるかやらないかなんです。

それを考えると年間に10件くらいやっている税理士だったらまあ慣れている人なのかなという感じですね。

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