「遺言を書けば安心」はまちがい もめる相続はここが悪い! (3/5ページ)
でも、こういう数字は誇張できてしまうものなのですが。
また、相談した時に節税の話ばかりする人はやめた方がいいです。相続で何を大事にするかは人によって違うはずなので、その価値観に寄り添える税理士の方がいいでしょうね。
――先ほどお話に出た「遺言」についてもお聞きしたいです。遺言は書くべきだが、書けばすべて丸く収まるわけでもないと。
木下:そうです。さっきのお話のように「遺留分をよこせ」と言われることは多々あります。
そこには遺言を残す側の心情が絡んでくることが多いんです。勘当した息子がいて「あいつには分けなくていい」と遺言に書いたとしても、息子の方が「俺にももらう権利がある」といって遺留分を求めてきたり。
あとは、地主の家などは不動産を継いでいかせないといけませんから、相続の時に長男に偏らせることが多いのですが、やはり弟や妹が不満に思うケースが多いですね。いきなり長男の家に内容証明を送りつけてきたり、なかなか物々しいですよ(笑)。
――となると、財産を残す側は遺言に加えてどんな準備をしておけばいいのでしょうか。
木下:今のお話を踏まえると、遺留分だけは用意しておかないとまずいですよね。分け方が不公平だと誰かが言ってくる前提で、その人が最低限もらえる分のお金は用意しておくという。
それをやっていないと、たとえば1億円の自宅を相続した兄が、預貯金の2,000万円を相続した弟から不公平だと言われて、遺留分を払うために家を売らないといけなくなったりするんです。
あとは、遺言の付言事項を利用するという方法もあります。遺言には付言事項といって最後にメッセージを書けるんです。そこに「兄弟仲良くね」とか「こういう思いで遺言を書きました」というメッセージを残しておくのもいい方法です。人間って最後は感情論ですから。
――遺言の内容が生前に聞かされていた話とちがったり、知らなかった事実が遺言で明かされていたりするとトラブルになりやすいように思います。