「遺言を書けば安心」はまちがい もめる相続はここが悪い! (4/5ページ)

新刊JP

遺言は書いたら生きているうちに相続人に見せた方がいいのでしょうか?

木下:本当は見せた方がいいとは思います。ただ、親の気持ちとしては遺言を見せて財産を明かしてしまうと、子どもたちに当てにされるというのがあって、あまり見せたがらない方が多いですね。

――遺言を見て、自分の相続分が1億円あると知った息子が、ある日突然仕事を辞めてしまったり……。

木下:そういう感じです(笑)。逆に取り分が兄弟より少ないと知ったら、孫を利用してでも親と交渉しますよ。こういうのは相続の現場では本当によくある話です。

――これまでに手掛けた変わった相続の事例がありましたら教えていただきたいです。

木下:離婚歴があるバツイチ同士の夫婦の相続の事例が風変わりでした。実際にあったケースなのですが、その夫婦には息子が1人いて、妻の方には前夫との間に娘が1人。実子である息子の方は両親とケンカ別れして出て行ってしまっていた一方で、妻の連れ子は継父である夫とも仲が良くて、3人で暮らしていました。

このケースって、妻が亡くなった時の法定相続人は夫と息子(ケンカ別れ)と連れ子の3人になるわけですが、夫が亡くなった時は妻と実子である息子(ケンカ別れ)の2人だけです。夫は妻の連れ子をすごくかわいがっていたのですが、その子には財産を残すことができません。

で、夫が亡くなったんですね。かわいがっていたのなら、連れ子を養子縁組しておけば財産を残せたのですが、養子縁組もしてなければ遺言も残していなかった。夫はケンカ別れしていた息子に財産を残す気はなかったのですが、遺言がない以上半分は息子(ケンカ別れ)に権利があります。誰が相続人なのかでもめた事例ですね。

――最後になりますが、相続を控えた方々にアドバイスやメッセージをお願いいたします。

木下:節税は後回しでいいので、まずはみんなが納得するような相続を心がけていただきたいです。

そのためには親と普段から会話しておくことです。

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