戦国「10大奇襲」秘聞(2)北条氏康が河越で「こんな夜中に戦かよ!」 (2/2ページ)

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その情報を受けて、信玄も1万7000の兵を率いて甲府から海津城に入った。城には3000の兵がいましたから武田は合計2万の軍勢。信玄はなんとしても決着をつけようと、妻女山に立てこもっている上杉軍に対して、1万2000の別働隊を大きく迂回させて謙信の背後から奇襲をかけ、本隊と挟み撃ちにする作戦でした。一方、上杉軍はその前の晩に武田の奇襲を察知して、妻女山上の陣にかがり火をたいてカモフラージュしつつ、深夜に音を潜めて山を下り、武田の本陣へ先手を打って逆奇襲をかけます」

 この妻女山を下りる際に上杉軍は、馬の轡(くつわ)に布を巻き、馬の舌を縛って、鞭も使わず静かに漆黒の千曲川を渡ったといわれ、これがのちに「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)夜河(よるかわ)を渡る」と頼山陽が詠んだ有名な場面に。

「早朝6時頃、霧の晴れるのを待って突然、川を渡り上杉軍が襲撃。これで危機に陥る信玄ですが、武田の別働隊が到着すると、再び形勢は逆転して、上杉軍はサーッと引いて勝敗はつかないまま。謙信が太刀を持ってただ一人で信玄の陣に乗り込んで斬りつけ、その太刀を信玄が軍配で受けたという名場面は、残念ながら、のちの創作のようですね」(河合氏)

河合敦(かわい・あつし)1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。歴史作家・歴史研究家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。主な著書:『早わかり日本史』(日本実業出版社)、『大久保利通』(小社)、『日本史は逆から学べ《江戸・戦国編》』(光文社知恵の森文庫)など。

房野史典(ぼうの・ふみのり)1980年、岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「六文ジャー」を結成し、歴史活動も積極的に行う。著書に『超現代語訳戦国時代』『超現代語訳幕末物語』(ともに幻冬舎文庫)、『戦国武将の超絶カッコいい話』(王様文庫)がある。

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