女性差別?女性を守るため?かつて日本に生理中の女性を隔離する「月経小屋」が存在した理由 (2/3ページ)

Japaaan

日本にかつて実在した「月経小屋」とは?

「月経小屋」とはその名のとおり、生理中の女性が他の家族や地域の人と接することがないように隔離するために使用されていた施設です。

とは言っても全国各地に必ず設置されていたわけではなく、主に瀬戸内海や伊豆諸島など西南日本の島々に存在するものでした。地域によって「タビゴヤ」「ヒゴヤ」「よごれや」「不浄小屋」などと呼ばれていましたが、いずれにせよあまり「喜んで入りたい!」と思えるような名称ではありません。

それもそのはず、生理中の女性をこのような小屋に隔離する目的は
「生理中の女性は不浄である」
「男性は生理中の女性に接すると危険である」

という考えにもとづくものだからです。

このように月経中の女性を「穢れている」として隔離する習慣は、なにも日本固有のものではありません。

海外でもアメリカのインディアンやミクロネシア、ニューギニア、インド、南アフリカなどの諸民族の間に似たような習俗があり、国や地域によっては1970年代に入ってからも
「生理中の女性と同じ食器を使った人は死ぬ」
「生理中の女性が花や果物に触るとしなびる」
などと信じられていました。

「小屋生活」の期間の「ラクな部分」と「とんでもなくしんどい部分」

さて「月経小屋」での生活がどのようなものであったのかは、現代では想像するしかありません。

これについては個人個人で感じ方に差があったでしょうが、
「ここに入っている期間は家事も育児もしなくて良いので、ただでさえしんどい生理中はむしろゆっくり休めて助かるわ」
という、現代の「生理休暇」的な考え方をする人や地域も存在したようです。

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