田中角栄「怒涛の戦後史」(21)元防衛大臣・田中直紀(下) (3/3ページ)
「双方がバッジを付けているときは、時には手をつないで赤じゅうたんを歩いている姿があった。夫妻としては、直紀は細かいことにこだわらぬタイプで、『政界のマスオさん』などと言われたこともあるが、真紀子のほうがより直紀に惚れている感じがしたものです。
真紀子の感性は父・角栄に似て鋭いものがあったし、もう少し父親譲りの他人に対する“情の気配り”があれば、わが国初の女性首相の誕生もあっただけに、惜しまれる」
世の中の多くがそうであるように、子供は親の思い通りには育ってくれないものである。あの怖いものなし、さしもの絶対権力者だった田中も、「王国」の再興が遠い現在、泉下でこう言っているのではないか。
「世の中はしょうがないねぇ。みなさん!」と。
(本文中敬称略/次回は元首相・橋本龍太郎)
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【著者】=早大卒。永田町取材50年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。