「遺産はいらない」といっていた親族が豹変 相続のプロが目にした「争う族」の怖さ (3/5ページ)
あとは、親族や親族の配偶者に「わけのわからない人」がいるケースも要注意です。法律としてルールが決まっていても、それを無視して土足で入り込む人も、中にはいるので。
――江幡さんは、金融や保険の世界でキャリアを積んできたとお聞きしました。相続の世界に入ったきっかけは何だったのでしょうか。
江幡:学生の頃から金融業界で独立しようと思っていたので、まず何社か経験して10年後に独立しようということで、保険会社に就職して、それから富裕層向けのプライベートバンクに転職しました。
プライベートバンクって、いわゆる「一見さん」はいなくて、限られた顧客にしっかり寄り添って資産運用や税金対策の相談に乗っていくというスタイルなのですが、顧客の方々が一番心配していたのが相続だったんですね。そこで相続対策の相談を受けているうちに知識が増えていったわけですが、それが独立してから生きた形です。気づいてみたら業務の半分が相続関連になっていますね。
――相続の際は顧客との信頼関係をいかに築くかが大事なポイントだと思います。この点について江幡さんが大事にしていることはありますか?
江幡:、嘘をつかないこと。それと変に忖度せずにメリットだけでなくデメリットも説明することですね。そのうえで顧客に選択肢を提供するということを大切にしています。最近増えている「自称専門家」は耳ざわりのいいことばかりを言って自分達の利益に誘導しようとします。顧客ファーストではないのです。私たちが3000件を超える相続を手がけられているのも、多少煙たがられたとしてもデメリットも含めて直言する姿勢が信頼を生んでいるからだと思います。
――相続の仕事を始めた頃の失敗エピソードなどがありましたら教えていただきたいです。
江幡:ある著名人の相続対策を手掛けたことがあるのですが、その仕事を途中で大手弁護士事務所に取られたことですかね……。こちらとしては顧客にとって一番メリットがある提案を低価格でご案内したのですが、大手事務所は数段劣る提案を何十倍もの値段で提示して、しかも顧客はそちらを選んだ。