「遺産はいらない」といっていた親族が豹変 相続のプロが目にした「争う族」の怖さ (4/5ページ)
ブランディングというものの大切さを思い知りました。
――また、キャリア全体を通しての挫折体験や、そこから立ち直ったエピソードなどもお聞きしたいです。
江幡:プライベートバンク時代に経験したリーマンショックはやはり大きかったです。当時何か大きなことが起こるっていうのはわかっていたので、僕は自分の顧客に対しては投資をさせずに、資金を引き揚げさせていたんです。だから大きな損失を出さずに済んだのですが、同僚の営業マンの顧客や顧客の会社の中には破産したところもありました。
そういうのを見て、サラリーマンをやっているうちは、本当の意味で顧客のための仕事をすることはできないなと思ったんですよね。ノルマがある以上、達成するためには顧客のためにならないこともやらざるをえなかったりしますから。独立する決心をするきっかけになったという意味でも、リーマンショックは自分にとって大きな出来事でした。
うちの会社は相続だけではなく、資産運用や法務・税務・財務管理など、預金業務を除けば銀行と同じことをやっているのですが、今回の新型コロナウイルスの流行の中でも顧客の方々に損失を出させず、利益をもたらすことができているのは、当時の教訓が生きているのかなと思います。
――相続を専門にするには相当な知識と経験が必要ということですね。では、なぜ江幡さんは3000件もの相続案件を手がけることができたのでしょうか?
江幡:その理由は大きく二つあると思っています。まず一つに、いくつかの金融機関から信頼を得ているので毎日安定的にご紹介が来ること。またそのご紹介に対して、相続専門のチームを組んで結果を出し続けていることです。
相続専門チームには、私のように金融機関出身者を中心に、税務・財務・運用等の専門家がいます。顧客の現状を俯瞰的に分析する人がいて、その下にそれぞれの専門家が対策を考えて全体最適な提案を出し続けられるのが大きな強みとなっています。
そして、プロフェッショナルとして仕事をし、あくまで顧客の利益の一部を報酬としてもらうという考え方がベースにあるので創業以来12年以上にわたって一度も会社としてノルマはありません。