道尾秀介インタビュー「一番面白いと思えるのは、自分自身がつくったもの」 (1/3ページ)

日刊大衆

道尾秀介(撮影・弦巻勝)
道尾秀介(撮影・弦巻勝)

 小説と音楽――どちらも僕にとってなくてはならないものですけど、先に惹かれたのは、音楽でした。父がピアノの調律師だったので、音楽は生まれたときから近くにあったんです。子どもの頃、よくピアノに触って遊んだりしていました。

 本格的にのめり込んだのは、中学生になってからです。X(現X JAPAN)のファンになって、hideモデルのエレキギターを買って、一日中、暇さえあればギターを弾くようになっていました。

 当時はバンドブームの全盛時代。バンドをやることが、“カッコイイ”の代名詞だったので、高校に進学してすぐに、“そうだ! バンドを組もう!!”と自然に思ったんです。とはいえ、ギターを弾けるやつはいても、ドラムを叩ける人間が、なかなかいなくって。そのうちに、1年6組にドラムを叩いたことがあるやつがいると聞いて、休み時間のたびに、そいつを口説くため、6組の教室に足を運んでいました。

 結成したのは、メタルロックバンド。僕は金髪のロン毛。そいつは、黒髪のロン毛。2人が中心になって、ライブハウスなどのステージに立つようになりました。

 プロになる夢ですか? いや、それはもちろん、当時バンドをやっていた高校生がほぼみんなそう思っていたように、僕も、“プロになるんだ!”なんて思ってましたよ。

 でも、よく考えてみると、周りにバンドマンはたくさんいるけど、だれひとりプロになれたやつはいない。それに気づいて、音楽では食っていけないな、と思いましたね。もっとも、僕が引っ張りこんだそいつは、いまだにバンドマンを続けているんですけど。人生を大きく変えちゃったようで申し訳ないです(苦笑)。

 小説に出逢ったのは、高校生のときでした。当時、つきあっていた彼女が、純文学が好きな人で。その影響で読み始めたのが、太宰治と川端康成。それまで、国語の教科書すらまじめに読んだことがなかった僕にとっては、衝撃でしたね。

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