ある刀工が眠るという太宰府市の宝満宮竈門神社の板碑を調べてみた (1/7ページ)

心に残る家族葬

ある刀工が眠るという太宰府市の宝満宮竈門神社の板碑を調べてみた

美少年キャラに擬人化された名刀の数々が、歴史上の合戦で敵と闘う育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞 -ONLINE-』(2015年)が、主に10〜20代の女性の間で大人気を博してきたことから、ここ数年、「刀剣女子」が国宝や重要文化財などの名刀目当てに、博物館や美術館に殺到していると話題になっていた。「日本人は飽きっぽい」と言われ、また、新型コロナウィルス感染拡大を受け、日本全国の博物館や美術館は臨時休館を余儀なくされている今、「あの頃」の熱気は、今なお続いているのだろうか。

■宝満山の麓にある竈門神社に残る幾つかの石造物と板碑


福岡県太宰府市の東北部、筑紫野市との境に聳える、標高868メートルの宝満山(ほうまんざん)、別名・竈門山(かまどやま)の麓に鎮座している竈門(かまど)神社下宮の参道脇に、石造物が多く立てられている一角がある。そのうち、「日あけ地蔵堂」から見て左奥に、花崗岩でつくられた板碑がある。補修されているものの、高さ163cm、最下部の幅は38cm、最大厚30cmの、頭部を山形にし、裾開きの形をなしている。鎌倉時代後期から南北朝時代に立てられたものと考えられている。

「板碑」といえば「関東型」と言われる、秩父産の緑泥片岩でつくられた巨大な板碑が知られるが、太宰府市内に現存する板碑の大半が50cm以下の小型のものであるため、このように大きなものは極めて珍しいという。何らかの造立目的が彫られていた可能性は大きいが、判別不能だ。しかし、不動明王を表わす梵字の種子(しゅじ)「カーン」と、その下には蓮座が見える。また、「カーン」の下には、休止符の梵字「ダ」がついていることから、仏・菩薩などの功徳を衆生に施すことを強調する意味になるという。

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