人気建築家が明かす、コストを見える化して理想の住宅を建てる方法とは? (3/5ページ)
ただ、実務上、デメリットの部分は我々建築家が建て主さんを支援することで、多くの部分をカバーしています。
――「工事費の価格構成の透明性が向上する」というところでは、この本の漫画でも建て主の山田さんがタイル張りのお風呂や薪ストーブなど、いろいろなオプションをつけようとして、その価格に驚いてしまうシーンがありました。そこの本当の内訳が分からないと。
本間:そうですね。総合建設業者やハウスメーカーは含み益を乗せて見積もりを出すので、「本当はいくらなの?」ということが分かりません。例えば薪ストーブが50万円とあったとしても、本当に50万円か、という話なんです。
――なぜこれまで価格構成が見えないようになっていたのか、見える化することで建て主にどんなメリットがあるのか教えてください。
本間:総合建設会社は、建て主さんに提示する工事見積書の他に、実行予算書という2種類の見積書が存在します。実行予算書には、総合建設会社が下請けの専門工事業者等に発注する費用が明示されており、通常は社外秘です。
例えば、総合建設会社は、アルミサッシを建材店から仮に90万円で調達するとき、実行予算書には90万円と記されますが、建て主さんに提出する見積書には140万円などと書かれたりします。この差額50万円は、総合建設会社の利益になるわけです。
これは含み益で、決して違法ではありませんが、設備や内装など全ての項目に及ぶと膨大な金額になったりします。これらをブラックボックスと呼んでいるのです。
CM分離発注方式では、建材店や専門工事業者と直接契約するので、見積書も含み益が入り込み難く、しかも中抜き状態になります。つまり価格構成が「見える化」され結果的にコストダウンに繋がりやすくなるのです。
建て主さんは、何にいくらかかっているのかが具体的に分かりますので、仕様の決定も格段に行いやすくなります。これが建て主さんの具体的なメリットです。