中畑清と福田正博が語った「偉大なる長嶋茂雄と三浦知良」 (2/3ページ)
02年、長嶋氏がアテネ五輪代表監督となり、組閣が報道され始めた頃、中畑氏に電話があった。
中畑「長嶋さんが“キヨシ、ちょっと電話じゃアレだから、人目につかない、いい場所があるから、お茶でも飲みながら話そうか”とおっしゃる。俺は直感で“コーチ要請だな”と心した。マスコミにバレちゃいけないから、慎重に指定された場所に行ってみると、なんとスポーツジムのラウンジでさ、もう、いっぱいギャラリーが来てるの(笑)。それで、一番目立つところに長嶋さんがいるのよ。もう、おかしすぎてツッコめないよね(笑)」
一方、サッカー界最大のスーパースターといえば、今も現役を続ける“キング・カズ”こと三浦知良選手(53)。福田氏とは同学年で、同じフォワードとして鎬を削った存在だ。
福田「現役時代、カズとは何かと比較されましたし、ピッチの外では、ほとんど会話しませんでした。でも、日本代表チームでは“戦友”でしたね。そんなカズがまだ現役を続けていて、今では僕は、彼のグアムでの自主トレーニングの取材をしている。あるとき“サッカー以外でやりたいことはないの?”と聞くと、彼は“選手以外に興味はない”とキッパリ言うんです。年をとれば体が言うことを聞かなくなるし、毎試合出られなくなれば、コンディショニング維持も難しい。それを続けているカズはすごいですよ」
キャリアの長い選手は、“ベテラン”にカテゴライズされ、「引退はいつか」と囁やかれるのが常だ。
福田「でも、カズは少年のように瞳がキラキラ輝いていて、痛々しさがまったくないでしょ。そのうえ、あの練習量で同情される余地はない。キャリアも年齢も重ねているけれど、“古い”のではなく、今や“アンティーク”の域なんです」
三浦選手同様、現日本代表監督の森保一氏(51)も、サッカー界をともに盛り上げてきた“戦友”だ。
■歴史的な「涙のVゴール」
99年の浦和対広島戦。