元祖かかあ天下!飛鳥時代、絶体絶命の窮地を切り抜けた豪族の妻【下】 (2/4ページ)
いま砦に残っているのは、そのほとんどが女子供……踏み込まれたらひとたまりもないわ……だから、少し包囲を緩めてもらいましょう」
残されたわずかな人数で活路を拓く、妻の知略とは(イメージ)。
そう言って妻は女たちに弓を配り、力の限り弦を引かせました。矢をつがえていない空弓(からゆみ)ですが、この闇夜であれば、実際に矢が飛んでいるかどうかは視認できません。
女たちの空弓がビュンビュンと空を切って夜陰に響き渡り、その音はやがて蝦夷軍にも聞こえて来ます。
「何だ……?ぐわっ!」
妻の射た矢が、蝦夷の見張りに命中しました。時おりこうして本当に射ることで、暗闇から矢の雨が降ってくるようなリアリティを演出したのです。