「上司にしたい戦国武将ランキング」徳川家康、織田信長、武田信玄の通信簿 (2/2ページ)
■武田信玄<上司力:90点 尊敬度:90点 統率力:95点 土木力:90点>
敵をせん滅したり、奴隷として売り飛ばしたり、けっこうエゲツナイこともしているが、領民に対しては、河川の氾濫などを防ぐ治水工事、堤防(信玄堤)を造ったりもしているので、特記事項として土木力90点を追加したい。「甲陽軍鑑」には、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という名言があり、人こそ城に匹敵するという考え方は、倫理的で道徳的。性格的に安定しているので、上司力、尊敬度は90点。信玄の一番の特徴は、計画性と冷静さ。敵地の地図を事前に入手して綿密に計画を立て、風林火山の言葉どおりに一気に攻め込んでいく戦略家で、統率力は95点。
■部下がラクできる度1位:上杉謙信
謙信は自分を神だと思っており、任せておけば一気に先頭を切って戦ってくれる。部下はそのあとをついていけばいいので、すごくラクができる。頼れる度でもナンバーワン。
■中小企業の社長度1位:真田昌幸、幸村父子
真田幸村は、真田十勇士のようにフィクションとして有名だが、むしろ上司力は、父親・真田昌幸のほうが上。昌幸は信玄に仕えながら、その死後は信長に仕え、信長が死んだあとは北条、上杉、豊臣、徳川と武将の間を渡り歩き、巧みにバランスを取りながら中小企業の社長としてうまく立ち回った人物。
■金バラマキ度No.1:石田三成
「三成には過ぎたるもの」と言われた石田三成の軍師・島左近。三成は浪人中の左近を訪ねて自分の禄高の半分という高額でスカウトし、部下にしたという。できる者に対してはバンバン金を配った。小姓時代からのつきあいの親友・大谷吉継に「何でも金で動くと思っているのは間違いだぞ。本当に大事なのは誠実さなんだよ」みたいなことを言われているが、給料を出し惜しみしないという点では、いい上司と言えよう。
河合敦:1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。歴史作家・歴史研究家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。主な著書:「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「大久保利通」(小社)、「日本史は逆から学べ《江戸・戦国編》」(光文社知恵の森文庫)など。