城が欲しくば力で奪え!戦国時代、徳川家康と死闘を繰り広げた女城主・お田鶴の方【中】 (3/5ページ)

Japaaan

元より恨みはないけれど、かかる火の粉は払わにゃならぬ……激しい籠城戦の末、連龍が兄・親矩を射止めたことにより、弟の之矩は兵をまとめて撤退していきます。

「左馬助殿には申し訳ないが……それにしても、いったい誰が焼き討ちなど……」

一方その頃、三河国上ノ郷城(かみのごう。現:愛知県蒲郡市)では、お田鶴の方の兄・鵜殿長門守藤太郎長照(うどの ながとのかみ とうたろうながてる)が松平の軍勢によって討ち取られてしまいました。

「兄上……っ!」

鵜殿一族は長照の継いだ本家を除いてすべての家が松平に寝返り、長照の息子(お田鶴の方にとっては甥)である新七郎(しんしちろう。後の鵜殿氏長)、藤三郎(とうざぶろう。後の鵜殿氏次)は捕らえられ、人質にされます。

「無事だといいのだけれど……」

しかし、甥っ子たちの心配ばかりしていられません。新野親矩が討死したと聞いた氏真は「連龍の叛意は疑いない」と怒り狂い、再び大軍を曳馬城へ派遣。

率いているのは朝比奈備中守泰朝(あさひな びっちゅうのかみ やすとも)をはじめ瀬名親隆(せな ちかたか)、三浦備後守正俊(みうら びんごのかみ まさとし)、中野直由(なかの ただよし)など錚々たる猛将揃い。

「申し上げます!今川の軍勢、城まであと三里!」

「……来たか……」

今さら誤解だとも言えない連龍は、全軍を叱咤して再戦の備えを急がせたのでした。

二度にわたる激戦をしのぎ切るが……

さて、今川の軍勢によって完全包囲された曳馬城ですが、朝比奈たちの猛攻撃をよく耐え忍んで善戦。激しい攻防が繰り広げられる中、今川方の三浦と中野を討ち取る一方で、飯尾方も湯屋(ゆのや)某、森川某、内田某らが壮絶な最期を遂げます。

親しい者たちが次々と死んでいく中、まだ幼さを残したお田鶴の方は、辰之助(たつのすけ。

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