踏みにじられた貞操…戊辰戦争で活躍するも、敵の手に落ちた神保雪子の悲劇【中】 (2/6ページ)
錦の御旗(黄色丸部分)を燦然と翻し、旧幕府軍を圧倒する新政府軍。昭皇斎国広「毛理嶋山官軍大勝利之図」明治時代
現代人の感覚からすれば「朝廷=皇室なんて、江戸時代を通じて幕府に抑えつけられていたくらいだし、いったい何が怖いの?」と思うかも知れません。
しかし、心ある日本人にとって国家統合の権威である朝廷に弓を引くことは、まさに「神をも畏れぬ暴挙」以外の何物でもありませんでした。
こうなってしまったら、もはや旧幕府側に勝ち目はありません。これ以上抵抗すれば、本当に「朝敵」の烙印を捺され、日本全国を敵に回すことになってしまいます。
「殿、かくなる上は恭順の意思を示すよりございませぬ。これ以上無駄な血を流すことなく、日本国のためと思し召して、どうかご決断を!」
官軍となった新政府軍への降伏を説いた修理ですが、諾とも否とも言わない内に、総大将の徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)は容保やわずかな供を連れて、江戸へと逃げ帰ってしまいました。