歌舞伎町ホテル清掃員の「ウィズコロナ」現場(終)荒れた部屋続々で疲労困憊 (2/2ページ)
通常の二人一部屋での清掃なら、ゆっくり清掃しても、あと2時間残して、清掃が完了しそうだった。が、そうはいかず結局、勤務時間ギリギリまで身体を動かしまくって13部屋。つまり二人で掃除すると年間で最も忙しい時期と変わらず、最後はバテてしまった。こんなにやったのに、ふだんは掃除をしない男性社員が、私が帰る頃、部屋の掃除を始めていると聞いてガックリした。一人では終わり切らないぐらいに掃除部屋があったということを知ったからだ。
6時間前は、仕事ができる喜びで身も心も満ちあふれていた。なのに、終わってみると、心躍るような感覚はとっくに霧散していた。疲労困憊していた。
0時すぎにタイムカードを押して、退勤。ホテルを出ると5人ぐらいの20代の若者がいた。マスクをせず泥酔している。そのままホテルに入っていこうとするが、白い壁の手前で女の子がひとりうずくまっていた。一緒に連れ込もうとしたのだろうか。
さらに歩いて、歓楽街を抜けていく。客引きが3,4人戻ってきていたが、表情が一変。4月7日のような悲壮感はすでになかった。駅まで数分の間、ちらほら若者がいたが、酔ってマスクをしてない者も目立った。帰りの電車では、途中の停車駅に停まり、扉が開いた途端に、やはり20代の若い男性が電車に乗るのをやめ、ホーム上で嘔吐していた。
ステイホームもいい加減、限界なのかも知れない。先の見えない自粛に疲れている人が増えているようだ。耐えきれずに街に飛び出した人たちがクラスターになったりするのだろうか。私は暗澹とした気持ちになりながら、帰途を急いだ。
(※緊急事態宣言は5月25日に解除された)=写真はイメージ=