トマトが発する電気信号を数学モデルで分析。菌を媒介して仲間に合図を送っていた(米研究) (2/4ページ)
「コミュニケーションプロセスの数学モデルを使う利点は、実際の植物を使った実験よりも費用や時間を大幅に削減できるというコスト面です」
image by:Return of the Killer Tomatoes
・トマトは菌根菌を媒介して仲間に信号を送っていた
植物は電気信号を発して、自分の体を通してそれを伝播していることがわかっている。
そこでトマトの根を互いに離して別々の土壌に植えてみたところ、トマト間の電気インピーダンス(電流の流れを妨げるもの)がかなり大きくなり、電気信号が伝わらなかった。
「電気信号は伝わらず、根を通しての植物間のコミュニーケーションが妨げられました」
しかし、植物を同じ土壌に植えると、インピーダンスがそれほど大きくなくなり、植物のコミュニケートが可能になることがわかった。
この電気信号の媒介をしていたのが、土壌のいたるところに存在している菌根菌(菌根を作って植物と共生する菌類)のネットワークだったのだ。
菌根菌とは、植物と共生する菌類で、地中にはりめぐらした菌糸を植物の根につけて菌根をつくる。この菌根菌が電子回路のような働きをして、電気信号が交換される。